心を大切にする人は物事の過程を大切にする
些細なことが予想したように順調に進まないと、途端に心理的パニックに陥る人がいる。
形ばかりを大切にして、心がないからである。
物事が予想したように順調に進まないというのは、外側から見た形が予想したように
進まないということである。
形だけで心のない人は無駄を恐れる。心のある人には人生に無駄はない。
心のある人には、そのことをする過程もまた人生なのである。
心を大切にする人は物事の過程を大切にする。
しかし形にとらわれて他のことが見えない人は、結果しかない。
したがって予想したように順調に物事が進まないと全てが無駄に感じるのである。
せっかく、こんなに、努力したのにと悔しがる。
そういう人が持っている要求というのは神経症的である。
物事は「こうならなければいけない」と思っている。
こうなる「べき」だと思っている。ところが現実にはそのようにならない。
すると大変なことになったように感じる。
自分の今の生活全体の中では、そのことがうまくいこうが失敗しようがたいしたことではない、
些細なことである。にもかかわらず、もう自分の人生がいきづまったかのごとく
感じてしまう人がいる。
しかしこうならなかったことはこうならなかったことなのである。
物事はこうなるべきだと思い込んでいると、そうならないと人生の終わりのように
感じてしまう。こうなるべきことが、こうならないということで心理的パニックに陥るのである。
ちょっとうまくいかないことに過剰反応する。
それは自分の人生は全てうまくいくのが当然であるという完全主義的傾向でもある。