自分を傷つけた人との関係を終わらせる

不満、劣等感、孤独感等々があると、どのように現実に恵まれていても
そこから悪い所を見つけ出してくる。どのように現実に恵まれていても
そこから足りない所を見つけ出してくる。

不満な人というのは、おそらく傷つけられた人である。憎しみの人である。
不満な人は憎しみを取りのぞかなければ、いつになっても幸せにはなれない。

どうしても自分を傷つけた人から、先にすすめない人がいる。
そういう人は、残念ながら死ぬまで不幸である。どれはどうしようもない。

いくらその人を取り巻く環境が恵まれていても、どうしようもない。
その人の不満は環境で解決できるものではない。

ある人を乗り越えるとは、その人に対する憎しみを消せた、ということである。
自分を傷つけた人を乗り越えたというのは、その人への憎しみを自分の中から
消せたということである。

どんなに素晴らしい人が愛を囁いても、自分を傷つけた人のことが心を
占めていれば、もう他の人が入り込む余地はない。

自分を傷つけた人との関係を終わらせることで人生はすっかり違ってくる。
人が生まれ変わるとは、そういうことである。

自分を傷つけた人といつまでも心理的に拘わっていれば、人は心理的に成長できない。
いつまでも憎んでいては、どんなに努力しても人は変わらない。
どんなに成功しても人は変わらない。

この点に関してだけ言えば、努力はなんの意味もない。
成功しても不満たらたらの人がいるのはこのためである。

心の底の憎しみを消すということは、莫大な物を与えられても不満な人から、
わずかな物を授けられても満足する人に変わるということである。

いつもイライラしている人から、心穏やかな人に変わるということである。
もちろん、その人がどのくらい傷つけられたかによって憎しみの大きさは違う。

とことん傷つけられた人もいるだろう。
だが、それを乗り越えた時には、それだけの大きなものがその人には与えられる。
生きるとはそういうことなのである。

幸にして、たいした努力もなしに幸せな人生を送れる人もいる。
それはその人の運命である。それはそれでいい。

しかし、全ての人がそのような星のもとに生まれているのではない。
自分の運命は自分が引き受けるより他に仕方がない。