時間をかけて無意識を意識化する

不幸を受け入れられない人は、現実から逃げている人である。
不幸を受け入れられる人は、現実と向き合っている人である。

人が現実の世界で幸せになるためには、不幸を受け入れるしかない。
しかし幸せな人しか不幸を受け入れられない。

この矛盾を解決するのが、無意識を意識化することである。
幸せになるためには無意識にある感情を時間をかけて意識化していくしかない。

焦らない。何十年もかけてたまったものである。
そう簡単にとけるものではない。

自分が認めたくない感情を無意識に追いやって努力しても、努力は報われない。
このまま無意識に目を向けないで生きていれば、人を恨み、世を恨んで
死んでいくことになりかねない。

子供の頃と違い、大人になった今はもう客観的に何も恐れることはない。
それを頭でしっかりと理解することである。

事実が恐ろしいのではない。ただその人が主観的に恐れているだけである。

殺したいほど悔しかったことを、一つ一つ意識化し、吐き出す。
紙に書いてもいいし、声に出してもいい。

それだけでは怒りは消えないから、その悔しさのエネルギーを
生産的なことに振り向ける。

きちんと意識してするのと、意識しないままに無意識の怒りに支配されて
動くのとではまったく違う。

無意識の怒りは「人のために」というような愛情に変形して現れる。
今の広い範囲の不満を乗り越えるために、愛や正義の仮面を被ったままで
頑張ってしまったら、そこで人生は行き詰まる。死ぬまで苦しむことになる。

無意識を意識化させ、気づくことで苦しみは軽減する。