荒廃した心が人間関係を壊していく

会社で腹が立つことがある。努力しない人は苛めることで生きている。
自分を向上させることをしない人は、人の足をひっぱることで生きている。
これが不満な非抑制型の人の問題である。

逆に言えば努力している人はいつも足をひっぱられる。苛められる。
しかしその時に、悔しいという気持ちに負けて、相手と喧嘩を始めれば
こちらの負けである。今まで築いてきたものが失われる。

「私は努力している。あなたも努力すればいいだろう」と叫びたくなる。
しかし、そんな叫びは不満をもった非抑制型の相手には通じない。

人間には苛める人と苛められる人の二種類いるということを忘れてはいけない。
苛められる人の叫びは苛める側の人には通じない。

しかし努力している人は、会社から帰れば温かい人間関係があるかもしれない。
その時に会社の同僚に痛めつけられたことに仕返しをしようとすると、
その温かい家庭、優しい恋人、優しい友人との関係も壊しかねない。

仕返しをしようとすると心が荒れてくる。心がすさんでくる。
そうした荒廃した心が、今の温かい人間関係を壊しかねないのである。

そして多くの場合に抑制型の人は、実際に仕返しの行動にでられないから
憎しみを心の底に宿して憂鬱になるだけである。

ひどい目にあわされた時に、自分の注意を自分の長所である家庭や恋人や
昔の友人から離してはいけない。

たしかに会社でひどい仕打ちにあって痛めつけられたかもしれない。
しかし、その相手と喧嘩を始めるのは相手の土俵にのぼっていってしまうことである。

相手は人に嫌がらせをすることが、生きがいなのである。
そこが相手の勝負する場所なのである。人を傷つけることが相手の得意とするところなのである。

あなたの長所はそこにはない。あなたの生きる場所はそこではない。
人生は、人を傷つけることが生きがいの人と喧嘩していられるほど長くはない。

人に嫌がらせをする人と喧嘩を始めてしまえば、あなたの人生はその人と喧嘩をすることで終わっていく。
だからいじめる側の人から被害にあったときには、「私はこの人と争うために生まれてきたのではない」と
自分に言い聞かせるのである。