他人の評価に自分の幸福が依存している

執着性格といわれるような人は義務責任感が強いといわれる。
ところがこのような人はたいてい仕事のできない人である。

義務責任感が強いというよりも、いつも心配して
悩んでいるといったほうが正しい。

どうして、そうなったのだろうか。
できないことをできないとあっさり諦め切れないから、
いつも心配していなければならないのである。

自分の能力に余りあることをしたいと執着するから、
つぎつぎに心配事が出てくるのである。

できなければできないで仕方ないと思えない。
できないとき上司にどう評価されるかを怖れるからである。

できないときできませんとハッキリ言えないのは、
実際の自分以上に自分を評価してもらおうとするからである。

そしてできないことを引き受け、偶然の好運などを期待する。
そこでうまくいくか失敗するか、いつも心配することになる。

自分の能力の限界を受け入れられない人は、いつも心配している。
自分を実際の自分以上に高く評価してもらおうという姿勢が、
心配、悩みの核にあることが多い。

努力した後は、ことの成り行きに任せるしかない。
それが任せられないから、いつも心配していることになる。

任せられないのは、他人の評価に自分の幸福が依存しているからである。
このようにいつも心配している人が一見、義務責任感が強いように
思えるのである。

義務責任感が強そうに見えるのは実は自己防衛にしかすぎない。
いつも心配している人は他人の重荷をわざわざしょい込んでいるのであるが、
それも自己防衛なのである。

他人になんとか気に入られたいという執着である。