地位を他人に誇示する

人に好かれるということは、人の上に立つとき、大切なことである。
技術や知識も大切であることはもちろんであるが、それだけでは人の上に立てない。
人望はそんな知識や技術からだけ生まれてくるものではない。

管理職というポストにしがみつくような人は、まず人望がない。
人望のある人というのは、管理職というポストを得られなくても、実質的に
管理職の仕事ができれば、それでも満足できる人である。

名を捨てて実を取れる人というのが、人望のある人である。
名を捨てられないのは、その地位が自分の自我の脆さを補強しているからである。

それに対して、実質的に管理職の仕事ができれば、管理職というポストに
こだわらないという人は、管理職という地位によって自分の自我を補強する必要のない人である。

その人は仕事そのものが面白いのであって、仕事によって得られる威信が欲しいのである。
そういう人は強い。強いというのは、ハッキリと物が言えるということである。

人望がないどころか、皆から嫌われるタイプというのは、管理職の実力がないのに
管理職になろうとし、そのためにいろいろ画策する人である。
あるいは、あたかも管理職であるかの如く振る舞う人である。

地位によって自分の自我を補強している人は、地位を誇示する。
自分に自信がなければないほど、その地位を他人に誇示することになる。
その結果、他人の反発を招く。

地位によって自信のない自分を守ろうとする人は、どうしても名が実より大切になる。