気楽に付き合える女性との恋愛に魅かれていく

ある会社に評判の美人がいる。
しかし、なかなか結婚までいたる恋愛ができない。

美人だから皆が注目する。そしてそのなかでその美人が気に入る男性と恋愛が始まる。
しかしやがて、その恋愛は実らないで終わっていく。

男性は、その女性が素晴らしく有能で美人であるということは認めている。
しかしその女性は、いわゆる神経症的自尊心が強すぎる。

男性に「このように扱え」という要求がものすごく強くなる。
男性も、はじめはその女性の美しさと有能さに魅せられているが、やがて一緒に
いることが少しも楽しくなくなる。そこで次第にその女性から距離を取り出す。

そして男性は、ありのままの自分であることを許してくれる女性に魅かれていく。
一緒にいて楽しいからである。

結局、長く続くのは美しく有能な女性との恋愛ではなく、気楽に付き合える女性との恋愛になる。
そんなことで、その美人はいつになっても長続きする恋人ができないまま歳をとっていった。

しかし最後まで、彼女は男性がなぜ自分から離れていくのかわからなくなった。
そして「男性なんか皆くだらない」と虚勢を張って軽蔑した。

その美人が「自分をこのように扱え」という要求に固執するかぎり、男性は最後には逃げていく。
結局彼女には、愛する能力がないのである。同時に生きることを楽しむ能力もない。

彼女が生きることを楽しめば、おそらく男性は逃げていかないであろう。
生きることを楽しむということは、神経症的自尊心を捨てるということである。