無意識に侮辱しようとしている
神経症者には、相手を侮辱しようとする無意識の傾向がある。
このことを頭の中に置いておくことは大切である。
というのは、神経症者は一方で相手に迎合し、おもねる。
ところが無意識に相手を侮辱しようとしている。相手の失敗を望んでいる。
恋愛関係、あるいは性的関係において、相手を侮辱しようとする
神経症者の傾向は、重要な役割を演じる。
例えばこの傾向があることを知らずに、心理的に不安な男性が
神経症的傾向を持つ女性と恋愛関係になったとする。
女性は気づかずに、相手の男性を侮辱しようとする。
女性は自分では気づかずに、相手の男性を侮辱しようとする。
この侮辱しようとする傾向はいろいろな表われ方をする。
例えば自分に言い寄る男性をあざ笑う。しかもそれが強迫的。
つまり、あざ笑わざるを得ない。あるいは不感症。
それによって「自分は女性に満足を与えられない」ということを彼女は男性に感じさせる。
それは彼女が男性を侮辱することに成功したということである。
ことに男性が拒絶することを恐れているような時には成功する。
見捨てられる不安を持っている男性は多いから彼女の成功の確率は高い。
相手を無意識に侮辱しようとしている女性の方も、もちろん侮辱される
ことを恐れている。
それにしても、自分の恋愛の相手を無意識に侮辱しようとしていると
いうことは、考えると恐ろしい。
無意識に相手を侮辱しようとしている女性と恋愛した不安な男性は
性的に不能になることが多い。
そして男らしさに自信のない男性は、女性が自分と付き合ってくれるのは
性的満足を求めているからだと考えがちである。