身近にある小さな幸せには注意がいかない

神経症者は、慢性的な不満を持っている。
その不満は広範囲である。

あの人の言うことも不満だし、この人の言うことも不満である。
あのことにも怒りが湧くし、このことにも怒りが湧く。

あの人の態度にも怒りを感じるし、この人の態度にも怒りを感じる。
すべての周りの態度が失礼に感じる。

他人がかかわってくると腹が立つし、かかわらなくても腹が立つ。
与党の言うことにも腹を立てるし、野党の言うことにも怒りを感じる。

与党の言うことにも、野党の言うことにも怒りをぶつける。
そもそも、政治家に不満。

ある夫は、妻に不満である。
妻のやることなすこと、全て気に入らない。
「その服は何だ」「台所が汚い」、口を開けば不満である。

ある妻は、子供の学校の先生にも不満であるが、子供にも不満である。
夫にも不満だし、不倫相手にも不満である。

そもそも自分自身に不満である。そうした妻は目つきが悪い。
黙っていても怒りが顔に出る。だから関係者全員を引っかき回す。

老若男女を問わず、こういう人達は怒りと憎しみで飽和状態。
誰も彼も許さない。誰も信じられない。

まさに広範な要求を持っているから、不満の範囲も広範である。
公私ともに不満である。

政府のある政策に反対しているからといって、その政策の内容に
反対なのではなく、「その政策に反対」という主張を通して
心の中の不満が表現されているだけである。

政策に反対するのは単なる不満のはけ口を求めているだけである。