無条件に愛されることを望んでいる

人間関係をどうしていいか分からなくて悩んでいる人は多い。
そして、いつも人が自分に何かをしてくれることを期待している人がいる。

その何かをしてくれないから、相手を憎み、悩むのである。
相手に殴られたから相手を恨むのではない。

相手が自分の期待することをしてくれないから、相手を憎むのである。
無条件に愛されることを相手に求め、無条件に愛してくれないから相手を恨む。

そこにお菓子がある。
「どうぞ」と言ってくれると思ったら、言ってくれなかった。

そこで言ってくれない相手を憎む。
「何で言ってくれないのだ」と相手を恨み、生きるのは辛いと嘆く。

悩んでいる人は、長年付き合った友人も、昨日知り合った友人も同じなのである。
二十年来の友人に頼むべきことを、昨日知り合った友人に頼んでしまう。

だから断られる。
そして、断られると怒ったり、落ち込んだり、恨んだりする。

悩んでいる人は、母親と話すべきことを友達と話す。
そして、相手がその話に乗ってくれないと、相手を冷たいと思う。

今自分は誰と話しているのかが理解できない。
今、目の前にいる人と自分とは、どういう関係だか分かっていない。

だから人間関係がうまくいくはずもない。
要するに母親も親戚の叔父さんも、小学校以来の友達も、今日知り合った人も、
別れそうになっている恋人も、その関係に違いはない。

とにかく、皆同じ関係なのである。
この人と自分はこういう関係だから、自分はこういう話をするのが適切だと
いうことが分からない。

昨日知り合った人に、「俺は自殺したい。一緒に死んでくれ」と
言い出すようなものである。普通は驚いて逃げ出してしまう。

また二十年間も付き合っているのに、よそよそしい言葉を使って話している。
関係が分からないから、状況も分からない。

明るいことはいいことだと思うと、お葬式でも朗らかに笑ってしまう。
自分ではいいことをしているつもりで、人に嫌われる。

そして、何で嫌われたか分からない。そして周囲の人に怒る。
関係が分からないために、毎日毎日自分から悩みを背負い込んでいく。

そして苦しい、辛いと訴えている。