神経症者にとっては建設より破壊が意味を持つ

神経症的競争は人の心を破壊する。
他人の敗北が自分の生きる意味になってしまうような人もいる。

男は外に出れば七人の敵がいると昔から言われる。
しかし七人のうち六人は社内にいるということをある企業の人が言っていた。

確かに人々は内に敵をつくる。
自分の会社が他の会社に負けても、自分の同僚が失敗することを望む。

競争相手の会社を倒そうとするより、社内の人間の失敗を望んでいる人がいる。
敵を外につくって戦っている人間のほうが心は健康である。

よくいやがらせということをやる人がいる。
他人の車のタイヤをパンクさせたり、花壇の花を抜いたりする。

これなども他人に見つからないようにこっそりと夜の暗闇にまぎれてするのであろう。
それだけのエネルギーを自分の人生の向上のために使えばよいと
心の健康な人は考えるが、神経症者にとっては、建設よりも破壊が意味を持ち、
自分の幸せより他人の不幸が意味を持っているのであろう。

だからこそいやがらせをするのである。