嫉妬しやすい人は、自分の非を認めようとしない

自己蔑視した人が、会う人すべての人と自分とを強迫的に比較する
ということは、すべての人に好かれたいということの裏返しなのである。

いつも自分と他人を比較するような人は、心の底ではすべての人の
愛を独占したいのである。幼児的な独占欲が満たされていない。

極端に言えば、すべての人が自分にだけ注目して欲しい。
どんな人でも自分以外の人に注目するのが不愉快である。

自己蔑視した人は、人から好かれるということに自信がない。
自分は人から好かれないと間違って思い込んでいる。

それでいながらすべての人に好かれたいという強烈な
願望を持っている。

嫌われるに違いないという恐怖と、好かれたいという強烈な
願望とに心が引き裂かれている。

だからこそ、すべての人との比較をするのである。
自己蔑視から他人に優越したいという願望が強くなれば強くなるほど
強迫的な自他の比較が激しくなり、妬みの心理に悩まされる。

他人より自分が優れたいと願うのは、実際の自分に劣等感があるからである。
自分で自分を軽蔑するからこそ、自分が他人より優れていないと
気がすまないのである。

妬み深い人は、自分が他人に優越しているという自己像に
しがみつくことで心の不安から逃れているのである。

彼らが現実を受け入れるということはそのまま、
不安と向き合うことを意味する。

したがって、妬み深い人は現実を受け入れない。