観察から学ぶことは大きい

競争社会においては、過程でなく結果ばかりに
目がいってしまう。子供の遊びもそうである。

子供は遊びの結果、何かを達成しようとしているのではない。
遊びそのものの中に意味を感じている。

しかし競争社会は違う。結果が重要である。
子供は学校でどんな成績を獲得したかで評価される。

成績がよくて、運動会で一番になれば評価される。
では、虫が好きで何時間でも虫を見ている子供は何も学んで
いないのだろうか。

決してそうではない。自然から学んでいる。
子供の中には、面白いか、面白くないか、だけが行動の動機の子供もいる。

そうした子供は虫を何時間も見ている。
虫の動きの不思議さに見とれているのだろう。

その観察から学ぶことは大きい。
その子供自身が学ぼうとしているわけではない。

しかし自然と接することで、知らないうちに多くを学んでいる。
自然の神秘を感じることで、自然や創造物への畏敬の念を
もつようになるかもしれない。

その心に与える影響は計り知れない。
結果重視の考え方からすれば、その観察の時間が生み出した
目に見える結果はない。数学の問題を三問解いたというのではない。

しかし、その時間の過ぎていく過程に目を向ければ、
それは豊かな時間なのである。