心理的成長がなくても肉体的には大人になる

「荷が重すぎる」というような表現の仕方がある。
「それは彼には荷が重すぎる」というような言い方をする。

無償の愛に接することなく成長した者は、その年齢に相応しい社会的に責任は
荷が重すぎるのである。

無償の愛に接することで、人は心理的に成長できる。
しかし、無償の愛に接することがなくても年齢とともに社会的責任は負わされる。
それがきついのである。

子供の家庭内暴力から社会人のうつ病まで、今の子育ての失敗はみなそうした
ことが原因であろう。

それらの子供を育てた親には、子育ては荷が重すぎたのである。
子供を産んだ以上、その子を育てるのは親の責任である。
しかしその責任は、その親にはきつすぎたのである。

幼児期に母親との関係で満たされた子供は、怒りを抑圧する必要もなく、
同時に、全てを与えてくれるという幻想も処理できる。
怒りは母親が受け止めてくれる。

そして不公平だが、こうした子供が大人になると、リラックスできるようになるのである。
甘えを知らない子供は、リラックスのできる大人に成長していく。