ある一つの反応の仕方に固執するからストレスに満ちたものになる
人は大人になればいつも解決しなければならないいくつかの課題を抱えている。
しかし、同じ課題を抱えていても人によって感じる困難や辛さや苦しさは違う。
同じ課題を抱えながらある人は結構楽しく毎日を送っているし、
他の人は悲壮感を味わっている。
その違いはどこからくるのだろうか。
解決しなければならない課題を抱えながら結構毎日楽しく生活している人は
その課題を解決することに失敗した時のことをそれほど恐れてはいない。
頼まれたことをしてあげられなかったことで、相手から信用を落とすかも
しれないということがそれほど辛くない。
それに対して解決すべき課題を抱えていることで、ストレスから生きるのが
辛くなる人は、解決に失敗した時に、自分の理想的自我像が傷つくことを
物凄く恐れているのである。
相手の頼みを叶えてあげられないことで、相手から失望されることが
死ぬほど辛い人である。
頼まれると断れない人というのがいる。
そういう人がものを頼まれた時と、自分に出来ることは引き受けるし
自分に出来ないことは断ることが平気な人とでは、
頼まれごとをした時のストレスが違う。
頼まれると断れないという人が、頼まれごとをし、それが出来ない時に
「あーもうどうしようもない」と苦しむ。心理的パニックに陥る。
心理的にパニックに陥ったことでいよいよ事態は対処不可能になる。
ある一つの反応の仕方に固辞するから状況は対処不可能になり、
ストレスに満ちたものになる。
心が病むと選択の幅が狭くなり、選択の幅が狭くなると状況はストレスに
満ちてくる。そしてそのストレスがさらにその人の心を病ませる。悪循環である。