両親との関係から生じる葛藤

相手にあまり多くを要求する人は、心の葛藤に苦しんでいる。
両親との関係から生じる基本的葛藤を解決できている人は、相手にそんなに多くを要求しない。

自分も普通の人間だし、相手も普通の人間であるということを受け入れている人は、
基本的葛藤の解決した人であろう。

親との基本的葛藤を解決した人は、普通の人間である相手を愛することができるし、
普通の人間である相手からの愛を受け入れることができる。

両親との関係から生じる基本的葛藤を解決できていない人は、自分は他人から
好かれないのではないかと心の底で感じながら、他方で他人に特別あつかいされる
ことを求めている。

これは両親に対した時と同じである。一方で拒絶を感じながらも、他方で自分が
兄弟のなかで特別扱いされたいと願っている。

この拒絶の感覚と特別扱いへの願いの矛盾はそのまま対人関係一般に及ぶ。
誰も自分を本当に好きになってくれないのではないかと心の底で感じながらも
皆が自分を特別に扱ってくれることを求めている。

対人関係におけるこの心の葛藤を解決するためには、両親との関係から生じる葛藤を
解決するしかない。