自分の本音は示さない
結婚生活はまさに共同生活であるから、常にお互いの考え方、
望み、将来の夢、すべてにわたって食い違いが出てくる。
朝御飯のおかずからして問題である。好きなものが違うかもしれない。
問題はそのお互いの日常の仕方の食い違いを、どう調整していくかということである。
相手の言うことに不満でも、ついつい我慢して、その場を収めてしまう人が多い。
相手に不満を述べるよりも、自分が折れることで解決してしまう。
自分が折れつつも、面白くないという感情は残っている。
対立したときに、自分の意見や望みや抑えて相手に迎合すれば、
相手とうまくやっているように見える。
しかし相手を信じているわけではない。
迎合する人は相手と喧嘩はしないが、相手に自分の本音は示さない。
表面的には迎合と人を避けることは違うが、心の底では同じことである。
迎合するときに人は自分の本音を出していない。
ここが問題なのである。
自分の本音を出せば対立するが、自信もつくし、本当に親密にもなれる。
なぜ自分の不満を表現できないか。
それは相手に対するしがみつきがあるからであろう。
望みや意見が違ったときには、面白くないという感情を残しつつ
折れるよりも、自分の意見を述べるほうが大切であると
頭で理解できても、不安だとなかなか実際にはそのように行動できない。
自分が折れたときには表面では平気な顔をしつつ、不愉快な感情を心の中で覆い隠している。
いつも折れている人は淋しいのである。
自立してくると、ことさら相手の気持ちなど引き付けておかなくても
楽しい時を過ごせる。
物事を解決するために折れるということを選ばない。