ふれあいたい子供

ある時、幼稚園の一室で子供が、「空から砂糖が降ってきた」と言った。
それを聞いて、
「わあ、バケツ持って屋上にいかなきゃー」と叫んで、
バケツを持って屋上に行った幼稚園の先生がいた。
それを聞いて母親のほうは、子供を「ウソつき」と言った。

この二人の違いはどこから出てくるのだろうか。
まず、母親は子供に関心がない。
先生は子供に関心がある。

母親は「この子」に興味がないから、子供が自分に語りかけて
くれたことに喜びがない。

それに子供がふれあいたがっていることが分からない。
この子供は、話の内容はどうでもよいのである。

そこにいる人と気持ちをふれあわせたかった。
先生は、なぜ子供はそんなことを言ったかという動機を重視した。

子供は「ふれあいたい」という気持ちから、砂糖が空から降ってきたと
口から出まかせに言ったのである。

そのふれあいたいという気持ちをくんでくれた先生と、
言ったことの内容を問題にした母親との違いなのである。

もちろんこの子は、この先生が好きで母親が嫌いである。