状況はいつも変わらないと思って生きている

「相手をあるがままに受け入れる」ということは、子供に「もっといい学校に入学してくれ」と
励まさないことである。

絵を描くことが好きな子供に英語や数学の優秀さを期待しないことである。
人はどうしても自分の期待で相手を評価してしまう。

なかなか家で落ち着いて勉強をしない子供について、母親がよく次のように言う。
「うちの子ね、本当に落ち着きがなくって。もう少し落ち着いてくれればいいんですけど」

ところがこれが状況が変わって運動会で徒競走のときにはこの子が速いことがある。
するとその時には満足している。ところがこれが授業中とか家で勉強しているときとか、
そういうときにはこの落ち着きのなさが不満の種になってくる。

この子に限らず人間にとって、長所はあるときは長所であるが、また別のときは短所である。
子供にも好き嫌いがあるということを認めることは、子供が自分とは違う人格を持っている
ことを受け入れることである。

子供があるときには「いい子」、あるときには「悪い子」になる。
それを認めることは子供が自分とは違う人格を持っていることを受け入れることである。

いつも自分にとって「いい子」であるのが当たり前と思っている親は、子供が自分とは
別の人格であることを受け入れていない。