子供の背中を押してあげる
誰もがみな、同じ能力をもっているわけではないので、
人にはそれぞれ得意・不得意がある。
自分に自信をつけるのに大切なことは、人には能力の差があると
いうことを理解したうえで、自分がもっている能力を十分に
発揮できるようにすることである。
何事も一生懸命に取り組むことができれば、自分に自信がつき、
自分を好きになれる。
5の能力がある人が、5を全部発揮できている。
そして、もう一人は10の能力の10すべてを発揮している。
結果的に5と10の差はあっても、その人が自分の能力を
十分に発揮できている点では対等である。
子供が何かの課題や問題に直面したとき、周りの大人は、子供が
自分で解決できるように勇気づけなければならない。
しかし、このとき、「勇気を出して頑張れ!」と子供のお尻を
叩いたのでは勇気づけたことにはならない。
勇気づけとは、もともと子供の中にある力が何かの事情で十分に
発揮されていないとき、親が子供の状況を変えて、力を引き出して
あげることである。
言い換えれば、子供が自分はできると自信を持てるように、
自分を好きになる援助をしてあげることである。
それはまた、勇気づける大人自身が自分に喜びを感じ、自分を好きでなければ
相手に喜びを伝えたり、自分を信じていいよ、と勇気づけることはできない。
自分を好きになるのは、他人とのかかわり合いの中から生まれてくるものである。
誰かから好かれる経験を通して、人を思いやる気持ちや、好きになる心ができていく。
自分を好きになるためには、子供の時に誰かに好かれたり、
愛されたりする経験が必要である。
例えば、ミルクを飲みたい時に機械的にミルクが出てくるとしたら、
空腹を満たすことができても心が満たされることはない。
心が満たされた経験のない子供は、成長した時に、自分を好きになることが難しい。
ですからどうぞ、子供の心の栄養としての親の愛をたっぷり与えて下さい。