わがままを聞きながらも、事実を受け入れさせる

「あの子は甘やかされすぎてダメになった」と言うことがある。
確かに甘やかされ過ぎた子はダメになる。

でも甘やかされない子は自信のある子に育つかというと、決してそうではない。
極端な場合には鬱になったり、あるいは神経症になったりする。

子供を甘やかすことは必要である。幼児的願望が満たされて初めて、人は大人になれる。
甘えの欲求が満たされなければいつになっても内面は幼児である。
外側は立派な紳士淑女で、内面は幼児というような人はたくさんいる。

人の成長には二つのことが必要である。
一つは幼児的願望が満たされること、もう一つはその年齢にふさわしい責任を取らせることである。
この二つが一緒になって初めて自信のある子供ができる。

甘やかされてダメになった子供というのは、幼児的願望が満たされたけれども、
そのときどきの年齢にふさわしい責任を取ることから逃げてきてしまったのである。

その子はその年齢でしなければならない仕事を逃げてきた。
親は子供の幼児的願望を満たしてあげたけれども、その子のしたことに厳しく責任を
取らせなかったのである。

失敗したときに失敗したことを認めさせなかった。誰か他の人に責任を転嫁してあげた。
あるいはその子のできることなのに、自分自身がしてしまってその子にはさせなかった。

子供のわがままを聞きながらも、子供に事実を受け入れさせる。
それが甘やかしながらも、責任を取らせるということである。