一人の人間として対等に付き合うのが親の役目

子供はある年齢から、学校での出来事や友達のことを
だんだん親に話さなくなる。親より友達が大切になっていく。

自分に自信がもてず、子供も信頼できない親は、
子供が何を考えているか分からないと不安になっていく。

しかし、子供は親と関係なく、秘密をもってもいい。親が全部分かる必要もない。

人格が違うのだから、全部分かろうというのは、どだい無理な話である。
どうしても知りたいことがあれば聞けばいい。

子供がしゃべってくれないという親の心配の中には、子供のことを
全部知っていなければならないという思い込みや不安があるのだろう。

しかし、子供が自立をしていくということは、むしろ、親に秘密を
どんどん作っていくということである。

だから、子供が親にあまり話さなくなったら、子供が一人前になったのだと
考えて、そのことを喜んであげればいい。

子供を信頼していれば、それができるはずである。
逆に何でも全て親に報告し、いつまでも自立できないのも困りものである。

親の手助けがないと何もできない依存心の強い子供よりは、
自立して羽ばたく子供の成長ぶりを見守るぐらいのほうが、
親にとっても、子供にとっても、いいのではないだろうか。

子供が成長して、隠し事ばかりし、自分には全然理解できない友達と
付き合うようになったり、親の思わぬ方向へ行き、家を離れたら、
帰ってきてほしいと考えるのは親の心情としては当然であろう。

しかしそれは親の願いであって、子供に押しつけてはいけない。
最終的に子供の人生は子供自身の責任であり、子供が自分で決めること。

子供に対して、自分と同じ考えであってほしいという願いを
伝えることはできるが、命令することはしてはいけない。

自立した子供として、一人の人間として、対等に付き合うのが親の役目ではないだろうか。