憎しみの感情に飲みこまれている

誰の人生にも悔しくて眠れぬ夜がある。寝ようとしても寝られない夜がある。
寝ようとして寝られないのは、心に葛藤があるためである。
心に葛藤があるということは、自分が自分の思うようにならないということである。

心に葛藤があると、すぐに心が動揺してしまう。
自分の心の動揺を、自分の心の葛藤がどの程度あるかを計る指標にする。
何か困った事件が起きて取り乱したときに、自分にはかなり心の葛藤があるとわかる。

またどのくらい憎しみの感情に飲みこまれているかということは、
どのくらい心理的に動揺しているかということでわかる。

それはどのくらい理性を失うかということである。
自分の心の中にどのくらい敵意があるかということは、
事件に際して自分の心がどのくらい動揺するかでわかる。

頭では分かっていても、自分の感情をどうしようもない。
それはどのくらいコントロールを失っているかということである。

例えば自分の人生全体を考えれば、これは大きな問題ではないと頭では思う。
それでも悔しくて夜も眠れない。憎しみで何も手につかない。

自分にはいろいろと幸運なこともある。恵まれていることもあると頭では分かっている。
しかし憎しみで体がおかしくなり、嘔吐する。
吐き気、目眩、動悸など、どうしようもなく心身医学的症状を示しだす。

前向きにこの憎しみを処理しなければいけないと、頭では分かっている。
でもどうしようもない。

自分の感情をコントロールできなくなっている。なんでここまで来てしまったか?
それは、今まで不安から逃げて生きてきたからではないか?
事件に対する心の動揺で自分も分かるし、今までの生き方も分かる。

起きたことは起きたこと。起きたことを、いいほうに受け取る。
起きた事実で、今までの自分の生き方を変える。
起きた事件が、自分の人生のすべてと思わない。

そう思うから、起きた事実から逃げたくなる。
現実と向き合わなければ、幸せになれない。でも向き合えない。

それは、そのことがこれからも続くと思うから、向き合えないのである。
起きたことを、いいほうに持っていく。そうすれば現実と向き合える。