弱点を隠す人は相手と協力して何かをつくりあげていくことができない
自分の弱点を隠す人には、相手の弱点に対する暖かい思いやりがない。
自分の弱点を隠す人は、相手の弱点を許さない。
自分が相手の弱点を許さないからこそ、相手も自分の弱点を許さないと思う。
お互いに弱点を隠しあったまま結ばれているような独特の関係がある。
一見強い結びつきのようであるが、実はもろい。お互いの間は決して親密ではない。
神経症的な人間にとって本当に必要なのは、自分の弱点を隠さないような人なのであるが、
彼らは逆にそれらの人を避けて、弱点を隠す他人と独特の関係を結んでいく。
お互いに弱点を隠さず、その弱点の上に立って協力していこうという人達の関係は、
現実の上に立っているいるので強い。
弱点のある同士が、一つ一つ協力しながら関係を深めていく。
そのような関係にあっては、自分の弱点があらわれても言い訳する必要がない。
しかし弱点を隠しあった上での独特の関係にあっては、弱点があらわれてしまった場合には、
必ず言い訳をしなければならない。
他人を排除した独特の関係、自分達だけで得意になっている関係は、強いようで脆い。
ちょっとしたことでそれは激しい憎しみに変わっていく。