優越感や劣等感に苦しむ者は表面的に見えるものにとらわれる
プライドが高いとか、自信があるとかいうことは、時々誤解される言葉である。
自信があるということと、優越感とは異なるものであるということを
まず知らねばなるまい。
優越感というのは形に基づいて生まれるものである。
それは美人だとか、家柄だとか、学歴だとか、形から生まれるものである。
形が全て一番という人はいないから、優越感を持っている人は
必ず劣等感を持っている。
それに対して、自信というのは体験、経験、実績などというものから
生まれるものである。それは、生きる信念のようなものである。
自分の生い立ちを含めて、自分はこうして生きてきたという
ところから生まれるのが自信である。
それに対して、ノイローゼ的なプライドが高いというのは、
自分の生い立ちが貧しい時には、そのような自分の生い立ちを
抹殺しようとするものである。
優越感や劣等感に苦しむ者は表面的に見えるものにとらわれて、一生を送る。
あの人はダイヤモンドを持っている。
私は10カラットのルビーを持たなければ、という生き方である。
あの人が別荘を持った。私の別荘より大きい、悔しい。
こうした生き方である。
こうして他人の生き方に気をとられて、自分の生き方がなくなる。
優越感を味わうことが悲劇の第一歩になる人が多い。