自分が分からないと他人のことは分からない

人は自分の器が分かれば悩みは少ない。怒りも少ない。
つまり、本当の自分が分かれば人は憂いは少ない。

人は自分の器が分かれば、あまり人とは争わない。
あっちでもこっちでも人と争っている人は自分の器も自分の位置も分かっていない人である。

自分の位置が分かっていないと、どうしても不満になる。
自分が自分を分かっていない時には、人との関係で落ち込んだり、悲しんだりすることが多い。

そして自分の器が分からないのに、人が自分を分からないのは当然である。
それなのに人が自分を理解してくれないと言って怒ったり、悲しんだりしている人は多い。

「本当の自分」が分かれば、人が自分のことをどう思うかで憂えていることはなくなる。
落ち込まない、悲しまない。

人が自分のことをどう思うかで憂えているうちはまだ「本当の自分」が見つかっていないということである。
他人の苦労を理解しようとする努力が、「本当の自分」を見つけるきっかけになる。

「本当の自分」が見つかっていない人には他人の苦労を分かっていない人が多い。
他人の苦労を知っている人は、「本当の自分」も分かっているし、自分のしたことも分かっている。

「自分がある」ということは自分が何者であるかが分かっているということであり、
自分は何が好きで何が嫌いか分かっているということである。