好きとか嫌いの感情があれば、相手に「こうしてくれ」と言える

今あなたにとって大切なことは、好きと嫌いの感情を回復して、
嫌いなことを整理していくことである。

例えば「これは義務としてしなければならない」とか
「これは人から高く評価されたくて引き受けたことだから今度は止める」とか
「これは今の自分の体力では無理だから事情を説明して断る」などである。

そのように整理すると不思議なことに心も落ち着いている。
仕事が整理できていないと、心も落ち着きを失う。

燃え尽きる人は引き受けなくてもいい、嫌いな仕事を引き受け過ぎている。
そこまでしなくてもよいというほど嫌いな仕事を熱心にし過ぎている。

それも人から高く評価されるのが嬉しいからである。
認められるのが嬉しいのである。

その心の弱さを乗り越えない限り、「本当の自分はどこにいる?」と
いくら悩んでも、明日はない。

自分探しの成功者は、他人から満足を供給されていない人。
もともと燃え尽きる人は、心優しい人であろう。

断われないのは、人から高く評価されたいという点はあるが、
それ以外に相手に悪いという純粋な気持ちもある。そこが優しさである。

しかし残念ながら相手は、燃え尽きる人をそれほどまでに重んじていない。
だから自分の心と体を守るために、自分はどれとどれを断り、
どれとどれを引き受けるのかという優先順位をつけることである。

世の中には何でもかんでも自分の事情を押しつける身勝手な人がいる。
逆に何でもかんでも譲ってしまう人がいる。

後者が燃え尽きる人である。もちろん前者も後者も心理的に健康な人ではない。
心理的に健康な人は自分の事情を説明する。そして断ることは断る。

或いは自分の力で引き受けられるような条件にして引き受ける。
しかしそのためには好きと嫌いの感情がないと、断るか引き受けるかの判断基準ができない。

好きとか嫌いの感情があれば、相手に「こうしてくれ」と言える。
好きとか嫌いの感情がなければ、それが言えない。そこで相手に不満になる。

好きとか嫌いの感情がなくて不安な人は、まず心理的に安定を求める。
そして喧嘩をしないことを選ぶ。

喧嘩をしなければいつまでも不満が続いて、リラックスはできない。