自分の否定的なイメージを強化してはならない
劣等感の強い人は、偶然の幸運を自分の先見の明によるとする。
同じように、鬱病的な人は、偶然の不運を自分の能力不足のせいにする。
偶然の幸運は偶然の幸運として喜べばよい。
自分には先見の明があったなどと劣等感から虚勢など張るものではない。
そのようなことを言えば言うほど、第三者にはその人の劣等感の深刻さがよく見えてしまう。
逆に、偶然の不運ということだってある。そんな時こそ、自分をたたえることを忘れてはならない。
不運による失敗なのに、自分の能力不足による失敗として自分を責めていると
意気消沈し、不幸になり、否定的な自分のイメージに支配されてしまう。
そして、やる気をなくしてしまう。
やがて無気力になると、負け犬の習慣が身についてしまう。
不運な出来事のイメージが心の中につくられることで不運を呼び寄せて
しまう人もいる。不運による失敗は自分の責任ではない。だから自分を責めてはならない。
不運による失敗なのに自分を責めていると、自然と心が暗くなってくる。
失敗など、どうということはない。
問題は不運による失敗から、なんとなく自分を成功できない人間のように感じだすことである。
漠然と自分には輝ける人生がないと感じることが問題なのであって、失敗など問題ではない。
むしろ偶然の失敗によって、心の中にある否定的なイメージが刺激され
強化されてしまうのが恐ろしいのである。
誰にだって不運はある。不運による失敗をした時は、失敗する前の
意気揚々とした気持を忘れてはならない。
もし本当に自分の欠点のために失敗したのなら、その時は、
これから改めようと思うだろうが、決して落ち込んだりすることはない。