心の病んだ人と健康な人の違い

何かに失敗するということは、誰にでもよくあることである。
失敗することと、心の病とは、直接関係ない。
どんなに心の健康な人だって、いろいろうまくいかないことはたくさんある。

心の病んだ人と健康な人の違いは、その失敗のあとに出てくる。
心の病んでいる人は、その失敗にとらわれてしまう。
そして、次に「また、うまくいかないのではないか」と、同じような状況を前にして不安になる。

赤面恐怖症の人というのは、まず自分は人前で赤面するのではないかと予期不安をもつ。
普通の人は、そんなことをあらかじめ不安に思ったりすることはない。

対人恐怖症の場合には、よく言われるように他人を前に完璧な自分を演じようとする。
劣等感があるからこそ、自分の理想像に執拗にこだわるのだろう。

普通に自然に人前にあらわれることができない。
自分の表情、振舞いを意識しつつ人前にあらわれる。

そして、意識したそれらの言動が完全であることにこだわる。
劣等感が深刻だからこそ、完全主義なのである。
普通の人は、他人を前に完璧な自分を執拗に追い求めたりはしない。