自己否定的イメージを持つと抑鬱的になる

人間にとって、自分の基本的な心理的立場を変更することは容易ではない。
幼い頃、自分は人の役に立たなければ相手にしてもらえないという
自己イメージを持ってしまった人は、大人になっても相手への奉仕なしには
人から相手にしてもらえないと思い込んでいる。

ありのままの自分でも人に好きになってもらえるというようには、なかなか感じられない。

うつ病者などは幼い頃から、自分が家の評判を上げるために
役に立たなければ愛されないと思い込んでいることがある。

それは家の評価を上げるために、子供として自分が役に立つことを
いつも期待されていたからである。

そしてその期待に応えられたときのみ愛された。
このように、幼い頃ありのままの自分は愛されるに値しない人間であると
感じてしまった人は、大人になっても自分が愛されるべき人物であるなどとは到底思えない。

そして自分に自信のない人が大人になって成功すると、
成功者として以外に自分には価値がないと感じる。

その人が好きでその人と付き合っていても、自分にお金があるから
人は自分と付き合っているのだろうとしか思えない。

異性がその人を好きでその人と付き合っていても、
性的満足を求めて自分と付き合っているのだろうとしか思えない。

幼い頃自分は愛されるに値しないという自己イメージを
持ってしまった人は、たいていそのイメージを抱えて墓場まで行く。

しかし実際には、自分は愛されるに値しないという自己イメージを
持っている人の中に、愛すべき人間がたくさんいる。