本当の自分の人生の目的が分からない

自分の感情を自分に隠すと、どんなに表面的な人間関係が多くても孤独である。
抑圧すれば、自分が自分でなくなるのだから、自分を不確かに感じる。
抑圧するということは、実際の自分と違った自分を本当の自分と
思い込もうとしていることである。

実際の自分と今の自分が違う以上、当然「このままではいけない」
という感情が生じてくる。

「このままではいけない、今のままではいけない」という感情に、
その人の気持ちは支配される。

当然、焦りは出る。
「このままの自分ではいけない」と無意識で感じているのだから、
「何とかしなければ」という焦りが生じて不思議ではない。

それは何事も分かっているのに、分かっていないという不思議な感覚である。
それは夢にも現れる。

つまり、行く目的地は分かっている。でも、どうしてもそこに行けない。
目的地に行く道は分かっているはずなのに、なぜか分かっていない。
自分がどこにいるか分からない。

それは自分の人生の目的を喪失しているからである。
実際の自分と違った自分を自分と思っていれば、本当の自分の人生の目的は分からない。

行こうと思うのだけれども、なぜか行けない。間に合わないと焦る。
自分が自分を閉じ込める。退屈な人間になる。
それでうつ病になって、人から「趣味を持て」と言われても、それは無理。

それは、全てがイヤなのに、「私は幸せ」と思っている心理状態である。
それなのに空しさ、孤独感も抑圧する。

抑圧とは、自己疎外になること。本当の自分とは違う今の自分がいるのだから。
本当の自分が今の自分にとって遠くなる。