自分に対する信頼感がないと少しの障害にも心理的に圧倒されてしまう

腹の立つ人に自分の関心を集中しないことは大切である。
自分の周囲には自分のことを理解してくれる人がいても、
そのことの好運を忘れて、障害になる人にばかり自分の関心がいってしまう人がいる。

すると自分の今いる位置を統合的に判断することができなくなる。
自分には強い味方がいるにもかかわらず、自分のやる仕事の障害になる人に
関心がいきすぎるために、自分の位置を一面的にしか分からない人がいる。

そしてあんな上司がいては仕事ができないとこぼす。
自分が仕事をするのに完全な人的配置など期待すること自体が間違っているのである。

そのようなことを期待するからこそ障害になる人のことを過大に考えてしまう。
困難を誇張して考える人は仕事のできない人である。

そういう人は完全な条件を期待している人だからである。
自分の欠点にとらわれ長所を忘れる人がいるが、そのような人と同じなのである。

自分の欠点を過剰に意識する人は自分の長所を過小に評価する。
同じように、自分の置かれている仕事の条件の障害を過剰に意識する人は、
自分の好運を過小に評価するのではないだろうか。

自分に対する信頼感に欠ける人である。
自分に対する信頼感を持つ人は自分の置かれている状況を正確に判断する。

好運と障害の両方をきちんと意識してどちらも誇張しない。
それが仕事を続けられる人である。

自分に対する信頼感がないと少しの障害にも心理的に圧倒されてしまう。
だから障害を誇張して考えてしまうのである。