母親も生身の人間である

母親が、子供にお菓子をあげるとき、イライラしたとする。
そこで母親はポンポンと順序も考えずに子供にお菓子をあげた。

その時、あとに配られた兄は「なんで弟に先にあげるの?」と不満になる。
しかし、どんな母親だって生身の人間である。イライラもするし、腹も立てるし、
機嫌が悪いこともある。

ところが、子供は母親がそうした様々な感情を持つ生身の人間だとは理解できない。
お母さんは「えこひいき」していると思う。
「お母さんは僕より弟が可愛いんだ」と思う。

「お母さんは僕を可愛がってくれない。僕なんか誰も可愛がってくれない」と思う。
こうして、自分にとって親という重要な人の反応によって、自分のイメージが出来上がってくる。

小さい頃、自分の周囲にいた人の、自分に対する反応によってできあがる。
ダメではないのに、ダメだと勝手に思い込んでしまっただけである。

生身の人間の言動に惑わされて、人は落ち込んだり、苦しんだりしている。
生身の人間の言動に影響されて、自分はダメだと思ってしまう。

その扱いで自分がどういう人間かどういう人間かというイメージを植え付けられていく。