「私から離れてはいけない」

無力感や劣等感の強い親は、我が子が自分なしでは何もできないということが嬉しい。
したがって、いつまでも子供を、自分なしでは何もできないようにさせておこうとする。

ある著書で次のような例を挙げている。
ある母親は小学生になる息子に昼食にサンドイッチを持っていけと主張する。

彼の仲間の少年たちは、みんな昼食を買っている。
彼の母は、息子はお金の使い方がよく分からないと主張する。

こうして、息子にとってお金を扱える唯一の定期的なチャンスを奪う。
後で二人で一緒にある店に行く。息子がお金を不器用に扱うのを見て、自分の判断は正しいと思う。

母は息子が他の少年たちと同じように昼食を買うことができるかも
知れないということを知ろうとしない。

母はいつも息子にサンドイッチを持って行くことを主張することによって
息子を無能と認知し続けやすい状態に自分を置く。

人間は自分のしたことに照らして他人の行為を解釈しようとする。
息子が母親の力を必要としていると思うことは、母親の無力感を解放する。

このような母親は、子供に「私から離れてはいけない」という
メッセージを送ることになる。

情緒的に未成熟な親は、子供が離れていくことを妨げようとする。