自分の心を癒さないと、子供を許さない

今の親たちは、料理を作るのにも、若者と同じように今流行のものを作りたい。
それがかっこいいからである。

そして出来上がったものを、子供と同じように誉められたいし、誉められれば嬉しい。
子供の心をくみ取るのが親だが、自分の心を子供にくみ取ってもらいたい。

最近は親のほうが、子供と同じように誉め言葉が嬉しくて、逆に自分の気持ちを
くみ取ることを子供に要求していることが多い。

つまり、自分が作った今流行の料理を「よくできたねー」とか「お母さん、すすんでるー」と
子供に誉めてもらいたいのである。

そして逆に、子供の心をくみ取ることはしない。親子の役割逆転をする親は、いつも賞賛を期待する。
子供が親の役割をして、自分の心を癒さないと、子供を許さないという親である。

子供が頑張った時に、親が「よく頑張ったわねー」と誉めるのではない。
親が頑張った時に子供が「よく頑張ったねー」と親を誉めるのである。

こういう親は、どんなに子供が頑張っても、決して子供を誉めない。
自分が誉められることばかり関心があり、子供には関心がないからである。

自分が「こんなに大変だ」と騒ぐ人ほど、他人の苦労は理解しないものである。
親子でも同じである。会社の仕事が大変だと騒ぐ父親ほど、家の仕事が大変だと
騒ぐ母親ほど、子供の学校での大変さに理解を示さない。子供には興味がない。