自分だけが苦しめられていると思い込む

劣等感を持っていると、他人がすべてよく見える。
他人には弱点がないと考える。

もちろん頭ではそんなことはないと分かっている。
しかし実際の感じ方になると、そのようにはいかない。

自分が寝つきが悪いと、すぐに不眠症だという解釈をする。
そして何か自分だけが寝つきの悪さに苦しんでいるように思い込む。

翌日に何か心配なことがある。
翌日にどうしてもやり終えなければならない仕事がたくさんある。

そんな時には誰でもが寝つきが悪い。
しかし劣等感のある人はそんな時に眠れないと、そのような場合に
普通の人もみんな眠れないとは考えない。

自分だけが不眠症という特別なことに苦しめられていると思い込む。
バリバリ仕事をしている人はみんな、どのような時でもすぐに
寝つかれると思い込んでいる。

そんなことはけっしてない。
疲れを知らぬビジネスマンであれ、やはり眠れる夜に苦しむ時がある。

劣等感に苦しむ人は、他人はみな自分と違って苦しみや悩みから
解放されていると錯覚する。

自分が素晴らしいと思っている人が、自分と同じ悩みを持っているとは考えない。
しかし実際はあの人がと驚くような人が自分と同じような悩みを
持っているとは考えない。

劣等感に苦しめられている人は、「自分だけが」という感じ方が多すぎるのである。

人は誰しも眠れない時がある。しかし眠れない時に感じることが違うのである。

ある人はそんな時自分だけが眠れないでいるように感じ、酷く惨めになる。
そしてそのような自分を何とかしなければと焦る。