病気が与える影響は人によって違う

一つ欠けていることで、健康のありがたみが分かる。
前歯が欠けたことで、奥歯のありがたみが分かる。

病気になってはじめて、健康なのに毎日文句を言って生活したことを反省する。
健康で会社に行けていたことを忘れて、毎日飲み屋で会社の不満を言っていたことに気づく。

病気になって大騒ぎして嘆く人の中には、健康な人は価値がある、病気がちな人は
価値がないという歪んだ価値観の人もいる。

その歪んだ価値観が自分の病気の辛さに影響している場合もある。
病気になったときに、その病気自体の苦しみというのはある。

熱があれば健康なときに比べて、誰でも不快である。生活は不便である。
しかしその病気で何となく情けない気持ちになってしまう人もいれば、気持ちはそのまま
元気な人もいる。

同じ病気にかかっても、すっかり落ち込む人と、気持ちだけは健康なときと
同じように元気な人といる。

ところが病気に弱い人は、自分が原因で苦しんでいると思っている。
しかし決して病気という事実が、その人の全ての苦しみの原因ではない。
同じ病気が与える影響は人によって違う。