穏やかな気持ちではいられない

人はトラブルを処理することで、自分の心の中に力を感じるようになる。
別の表現をすれば自分の核の部分が強くなる。一口に言えば強くなる。

どんなに名誉や財産があっても自分の核に力を感じなければ、幸せにはなれない。
それは核の部分に力を感じなければ、いつも周囲の世界に怯えているからである。

その結果ある人は周囲の人々に迎合したり、別の人は攻撃的になったりする。
いずれにしても穏やかな気持ちではいられない。

よく「若い頃の苦労は買ってでもしろ」と言われる。
それはこの苦労がその人を強くするからである。
この苦労とは人間関係のトラブルである。

誰もいないところで偉そうなことを言っていてもしょうがない。
人に向かって自分の意志や考えを伝えることができなければならない。

若い頃に苦労をして強くなることが、その人のその後の人生に
どれだけプラスになるか分からない。

それは財産や学歴などよりもはるかに力になる。
社会の中で生きていく上で、一番頼りになるのはこの力である。

大企業のエリートコースを進みながらも途中で燃え尽きたり、
うつ病になったりする人がいる。

そういう人は若い頃勉強ばかりして人間関係のトラブルを
処理してきた体験に乏しいのではないだろうか。

一生懸命頑張った。一生懸命努力した。
でも得たものは、世の中で生きていくのに、あまり頼りにはならない力であった。