子供を束縛することで、自分自身を束縛してしまう
子供を縛りつける親がいる。
子供が積極的に成長することを喜ばない親がいる。
いつまでも子供が自分から離れないことを心の底では願っている。
そして、いつまでも独り立ちできず、自分に従順であることを心の底で喜ぶ親がいる。
そのように他人を束縛することで、実は自分にストレスを
課していることに、その人は気づかない。
変化こそ自然なのである。
その自然の流れに逆らうことで、ストレスは生まれる。
現在にしがみつくことで、ストレスは生まれる。
現在の地位に、現在の財産に、現在付き合っている人に、
現在得ている名声に、それらにしがみつくことで、ストレスは生まれる。
現在の立場が自分にふさわしくなくなれば、その地位を退くのがよい。
それが新しい立場を獲得する方法である。
しかし多くの人が、現在の財産にしがみつくことで、多くのものを失っている。
人間の心理的安定にとって、変化は危険である。しかし、変化は自然の流れなのである。
昨日のあなたは、今日のあなたではない。今日の私は、明日の私ではない。
自分の変化、自分の回りの変化、それを押しとどめようとすれば
ストレスが高まり、時には病気になる。
何だか調子が悪いという時、自然の流れに逆らっているのである。
自分の回りのものを何もかも独占し、自分の都合のよいように
動かそうとすれば、ストレスが高まるのは当然である。
あるものを独占しようとする人は、そのものに憎しみと恐怖を抱いている場合が多い。
自然の流れ、自然の変化に身を任せられないのは、
自分の内面が憎しみと恐怖に占領されているからである。
自分の内面が憎しみと恐怖に満ちている親は、
時間の経過と共に親子関係が変わることを受け入れられない。
子供が十歳になっても、二十歳になっても、三歳の時と同じ関係を保とうとする。
自然の変化に逆らうことで、ストレスが増し、それがさらに
内面の憎しみと恐怖を増大させる。