干渉する人は心の不安な人である

リーダーには、部下の人生に関与する気持ち、寄与する気持ちが必要であろう。
なるべく他人とかかわりあうまいという姿勢の人がいる。

他人とかかわりあうと面倒くさいことになる。
他人とかかわりあうと気づまりである、という感じ方の人である。

一口で言って、他人と一緒にいることが快適でない恥ずかしがり屋の人などは、
リーダーとしては不適当である。
こういう人は、人生とはそんなにいいものではないと感じているし、
他人といることにストレスを感じている。

リーダーになる人とは、損得感情抜きで、自然な気持ちで他人に何かを
してあげられる人である。

関与する、寄与するということと、干渉するということとは全く違う。
干渉する人は心の不安な人である。

自分が不安だから相手にかかわりあっていくのである。
相手との関係で自分が安心しようとしている。

したがって、どうしても相手を自分の思うように支配しようとしてしまう。

寄与するというのは、相手にとってよいことをしてあげようということである。
自分の不安の防衛として相手にかかわっていくのではなく、相手の立場に
立って相手のことをしてあげるということである。

心に葛藤のある人、自己中心的な人にとっては、寄与することは
つまり損をすることであり、消耗することである。

何でそこまでして他人に尽くさなければならないのかという気持ちになる。

不安のないリーダーは相手にかかわることで、そこから何かを得ようとはしていない。
相手のためになることをするのが自分にとって自然なのである。
困っている部下をほうっておくことができない。

不安なリーダーは、困っている部下にかかわって煩わしいことになり自分の時間を
とられることを恐れるし、経済的に損することを恐れる。
心に葛藤のあるリーダーは、得にならない人間関係からはいつも逃げようとしている。

これでは部下から信頼を得られるわけがない。
信頼されるリーダーというのは、部下とかかわりあうことが、わずらわしいと
感じるのではなく、楽しいと感じる人である。