不幸な人の弱点

不幸を受け入れられない人は、人から余りにも多くを求めすぎる。
それはナルシシストとか神経症とかいわれる人達も同じである。

ある人がナルシシストであるかどうかの判断基準というのがある。
その一つに、「私は他人に多くのことを期待する」というのがある。

他人に何もかも期待していれば、10のことをしてもらっても、
「あの人から10のことをしてもらった」のではなく、
「あの人は20のことをしてくれなかった」となる。

人を頼り始めたときに、私達は人を責め始めるのである。
私達は余りにも他人に期待しすぎるので、何をしてもらっても不満になる。

あまりにも多くを他人に期待する。
他人に期待することをやめれば、「あの人から10のことをしてもらった」
ということが分かってくる。

周囲の人の思いやりにも気がついてくる。
周囲の人の思いやりに気がついてくると、心の安定が得られる。

神経症者は、自分を助けてくれ、自分を称賛してくれ、
自分の利益になることをしてくれ、自分の評判をよくしてくれ、
自分の人生の困難を取り除いてくれることを他人に期待している。

彼等は何もかも他人に期待している。何もかもを他人に頼っている。
神経症者にとって、他人は母親である。

幼児が母親に求めることを、神経症者は他人に期待している。
これが、母親から愛されなかった人の持つ決定的弱点である。