不安だからついつい解釈しすぎる

劣等感が激しいと、配偶者にまで自分の弱点を隠す。
自分の弱点をさらりと言ってしまえる人は、相手をリラックスさせる。

しかし自分の弱点を隠して、自分を偉く見せようとする人は相手をも緊張させる。
絶えず「他人からどう思われているか」を気にしている人は、
自分の何が相手に好かれるかを誤解する。

付き合いが始まっても自分の何に相手が惹かれているかを誤解する。
そして相手が気に入ってくれるだろうと自分が考える生き方に、
自分を合わせようとする。

その結果、相手に不快感を与える生き方を選んでしまうということがある。
神経症的傾向の強い人は相手に好かれようとして、逆に相手が自分を
嫌いになるように嫌いになるように行動してしまう。

人は、相手が自分を嫌いになるように嫌いになるように、
無理な努力を重ねることがよくある。
要するに「好きなことは好きだ」という、単純なことが理解できない。

そんなにいちいち、「こうなったら、相手はこう思うに違いない」
「こうなったら、大変だ、相手に嫌われるのではないか」などと
相手の気持ちを勝手に解釈する必要はない。

劣等感が激しい人は、相手の気持ちを解釈しすぎるのである。
そして会話がなくなる。ボロを出すまいとするから、会話がなくなる。

もちろん相手の気持ちを解釈しすぎるのは不安だからである。
自分が好かれているかどうか不安だから、ついつい解釈しすぎてしまう。

相手に親切をしたいのだけれども、どのように親切にしていいか
わからないというときもある。

あるいは、こんなことをすると、恩着せがましく感じるのではないかと
恐れてその親切をやめてしまうこともある。

相手に対する好意はあるのだけれども、それをどう表現していいか分からない。
それは自分が好かれているかどうか自信がないということである。
そして好かれることに自分の価値を感じすぎているからである。