過去にしがみついても何にもならない

いつまでも過去に執着する人は、過去に戻って自分を取り戻そうとする。
それは、過去の不幸の代償を求めているということである。

あれだけ不幸だったから、その分、これから幸せでなければ気持ちが収まらない。
しかし、過去に戻っても、自分を取り戻すことはできない。

その努力では、やすらぎは築けない。
それが分かっているのだが、自分の心の傷をどうすることもできない。

そういう人間になるように、今まで生きてきてしまったのである。
だから、今までの生き方を反省する。

過去にしがみつく人は、子供を叱るときでも、
過去のことを引っ張り出してダラダラ叱っている。
「その場で、今あったこと」を叱らない。

恋人に対しても、「あの時も・・・」と過去にさかのぼって責める。
恋人のほうは煩いとしか感じない。

部下に対しても、怒り出したら昔のことを持ち出して、いつまでもネチネチと責め続ける。
こういう人がやっているのは自分の感情を晴らすことであって、相手には意味がない。

せめて、今、自分のしていることは感情を晴らしているだけで、
相手には何も意味もないということを自覚することである。

それを自覚しないと、思うようにならない子供にも恋人にも部下にもますます腹が立つ。

やさしさは、今までのことを水に流せること。
自分がいつもきれいな心で生きていること。