なんだかわからないけれども生きるのが辛い

好きなことがあってはじめて、嫌いなことがある。
嫌いなことがあってはじめて、好きなことがある。

「自分はこれが好きだ」とわかったときにはじめて、
「自分はこれが嫌いだ」とわかる。

逆も同じ。
嫌いなことを嫌いと意識したときに、好きなことも見えてくる。

したがって好きなことがなければ、嫌いなこともわからない。
それなのに、自分がしていることが嫌いだとわからないまま、
その嫌いなことに一生懸命になっている人が多い。

もちろん感情的に無理があるので、しだいに感情は鈍麻していく。
好き嫌いのない人はエネルギーがないし、好き嫌いのある人はエネルギッシュである。

じつはうつ病になるような人は、自分がしていることが
嫌いなことだとわからないで、一生懸命嫌いな仕事をしているのである。

職場の人も嫌い、仕事も嫌い、恋人も嫌い、友達も嫌い、
周囲の人みんなが嫌い。

しかし、うつ病になるような人は仕事や他人を嫌っている
そんな自分を意識していない。

やりたくないことを「やりたくない」とハッキリ言えれば、不満は残らない。
執着性格の人は嫌いな仕事を一生懸命に頑張って、嫌いな人と
にこやかに接している。

そうこうしていると、いつしか自然と「なんだかわからないけれども生きるのが辛い」
となってきても不思議ではない。

生きていて何だか変なのである。車が動かない。パソコンが動かない。
とにかく動かない。うつ病になるような人は、そんな状態なのである。