子供は自分に自信を失っていく

自分に失望した親は、子供に理想とか完全とかを要求する。
その結果、子供は、自分に欠けているもので自分を責め出す。

自分に失望した親といっても、自分への失望を抑圧している親である。
自分の心の底で自分に失望しているのに、それを意識のうえで認めることができない。

このように抑圧されたものは、子供に投影される。
つまり、子供に失望することで心の葛藤を解決しようとする。

子供に欠けているものを見つけて、それを責めることで
親は心の葛藤を解決しようとする。

自分への失望を抑圧した親に育てられた子供は、間違いなく自分に自信を失う。
そして何かできないことがあると、大変なことに感じてしまう。

子供に欠けているものを発見して、子供を責めることで自分の心の
葛藤を解決しようとした親に育てられた人は、完全主義になる。

自分に欠けたものがあってはならないと感じるからである。
責められた子供は、完全でなければ不安という大人になっていく。

自分にできないことがあっても平気でいられる人、
すぐに忘れてしまうことができる人がいるのに、ある人は、
自分にできないことにとらわれてしまう。

これが、自信のある人と、自信のない人との違いである。
自分に欠けているもので自分を責めた親から、心理的に独立できないのである。

過度に安全を求めるから、欠けているものに自分の注意が向いてしまうのである。