悩んでいる人の人間関係
悩む人というのは、たいてい人間関係において、相手と自分との関係を
間違って解釈している。自分との関係においてしか相手を捉えていない。
相手には相手の人間関係があり、相手には相手の人生観があり、
相手には相手の環境があるということがわかっていない。
それが自己中心性ということでもある。相手には自分とは関係のない部分が
あるということがわかっていないのである。
自分にとって重要な人というのがいる。しかしその人にとって自分が重要で
あるかどうかは、全く別なのである。
自分にとって重要であっても、その人にとっては自分が重要でないと
いうことがわかっていない。
自分にとって重要な友人がいると、その友人にとっても自分は重要であると
思い込んでしまう。自分にとっては友人でも、その人にとっては自分は単なる
知人であるかもしれない。
相手が自分とは関係のない生活を持っているということが、なかなか理解できない。
自分とは関係のない相手の生活の部分に対する、無理解なのである。
自分に関係のある人はすべて、母親のように自分に対することが当然と
思い込んでいる。しかしそのようなことにはならない。そこで怒りだす。
したがって社会的に孤立していく。社会的に相手と関係していうことができない。
相手を理解できないということは、相手の心にふれていないということなのである。
相手に対する要求ばかりに気をとられて、相手の要求が理解できない。
自分が相手と話がしたいとなると、相手が他のことがしたいと
いうことに気がまわらない。
そのように相手の心が理解できない人だから、友達ができないのだと
いうことが理解できない。
そして自分の相手に対する要求を、正義の名において強制する。
あなたにはそうする責任があるということである。
個人的な関係において、自分の要求を正義の名のもとに強制しようとしたら
自分は神経症的になってるなと反省することである。
人との付き合いにおいて、自分の要求を正義の名のもとに要求するのは
すでにどこか心が病んでいるのである。