傷ついたときこそ心理的に成長するチャンスである

普通の人より甘えていたり、劣等感を持っていたり、強度のナルシズムを持っていたりすると、
どうしても普通の人より傷つきやすい。

一口に言って、心理的に幼稚な人は傷つきやすい。
そして傷ついたときに突っ張ってしまう人と、それを認めて心理的に成長する人が出てくる。

突っ張ってしまう人は、自分たちに同意してくれる人たちを「あの人はすごい人」とか、
「あの人は自分たちのことを分かってくれる人」とか言って尊敬する。

それは、その人たちが自分の幼児性にとって都合がいいからである。
自分の幼児性にとって気分いい人を「すごい人」と言っているにすぎない。

逆に「あの人は自分たちのことを分かっていない人」と言うが、
それは自分の幼児性にとって都合悪いというにすぎない。

しかし、自分の幼児性にとって都合いい人についていくと、
そのときは気分いいが、最後は破滅するだけである。

現実から逃げる自分に都合のいいことを言う人だけが集まると、
そのときには盛り上がって気分いいが、最後は八方塞がりになる。

日々の生活の厳しさから逃げた人が集まって、「あんなことはくだらない」
とえらそうな口をきいている。

すると、「そうだ、そうだ」と同意する人たちが集まる。
その時には一時的に傷が癒され、日頃の不満が解消される。

しかし、これは幼児性の強い危険な解決法である。

糖尿病の人がいる。
甘いものが欲しいというときに、甘いものをあげる人は糖尿病の人のことを考えていない。

しかし、肉体的には大人でも心理的な幼児は、ここで間違える。
「ダメ」と言う人を恨み、甘いものをくれる人をいい人と思ってしまう。