閉ざされた家庭生活から開かれた家庭生活への移行は難しい

家族一点張りの家庭の中では、親子の役割逆転を通り越して、
情緒的虐待が起きていることが多い。

子供の虐待というのは、肉体的虐待ばかりでなく、情緒的虐待もある。
そして虐待の中で、最も外に分かりにくいのは、情緒的虐待である。

さらに虐待が分かりにくいのは、家庭という閉ざされた空間の中で起きる虐待だからである。
家庭の中の情緒的虐待があるかないかは、その家庭がどのくらい外に開かれているか、
閉ざされているかが分かる。

子供は友達の家に遊びに行くことで、自分の家を知ることができる。
また友達が自分の家に来て感じることを話してくれることで、自分の家を客観的に
見ることもできるようになる。

肉体的虐待は、誰にでも明らかであるが、家庭での情緒的虐待は分かりにくい。
そして情緒的虐待で注意すべきなのは、虐待されている子供が、虐待されているという
意識を持たないことが多いことである。

子供が、他人の家に遊びに行って、何となく「何か自分の家とは違うなー」と
感じることがある。何となくその家にいると居心地がいい。

情緒的虐待があれば、その時に「何か自分の家は変だなー」と感じるに違いない。
情緒的虐待は、言語的なものばかりではない。非言語的なものもある。
したがって、言葉による虐待よりも、さらに分かりにくい。