人間はスーパーマンではない
人は誰でも物事が自分の思うようにいかないことがあると、怒ったり、
不愉快になったり、イライラしたり、憂うつになったりする。
そしてその責任をどこかに転嫁できれば心理的に楽である。
だから人は何か思うようにいかないとすぐに他人のせいにする。
とくに子供はすぐに責任転嫁をする。それはまだ責任を背負うだけの心理的実力が
ないからである。
心理的にも肉体的にも疲れ果てたとする。しかし、今日はもっと仕事をしなければならない。
そんな時に人は焦る。一休みして仕事に取りかかろうとするもなかなか休めない。
こんなに消耗してしまったのは「あいつのせいだ」と責任を転嫁出来れば心理的には楽である。
しかしなかなか責任転嫁する人が見つからない。
そんな時に「それは本当にしたい仕事をしていないからだ」と解釈すれば心理的に楽になる。
人は苦しい時にその原因を突き止め、このために苦しいのだと思いたい。
そしてそれが人なら、その人を恨む。そうして心理的に苦しみを解決しようとする。
また、本当の自分ではない今の生き方が、苦しみの原因であると思えれば、
何となく納得できる。
誰でも不安な緊張が続けば、心身共に消耗する。身心共に消耗していれば
人との争いも増える。それが人間である。
本当の自分で生きていても、いつも気分爽快で、元気溌剌でいられると言うのは
間違いである。
本当の自分で生きていても、イヤな気分になることがある。人となかなか
うまくいかないことがある。気持ちがしっくりいかないことがある。
人はそうして生きている。