燃え尽きる人と燃え尽きない人

本当にその人にとって、その会社で出世することが面白いという時もある。
出世することが虚栄心の満足として自分に快適だというのではなく、仕事が面白くて、
出世すればするほど仕事が余計面白くなる。

まさにその会社で自分は仕事がしたい、という人がいる。
こういう人達は忙しくても燃え尽きない。

燃え尽きる人は仕事が面白くないのだけれども、威信を求めて背伸びしている人達である。
したくない仕事、負担の多すぎる仕事、それらを威信のために引き受けてしまう人である。

少年期、青年期に神経症的自尊心に傷を負っていて、それでいてその傷ついた神経症的自尊心の
回復として、その会社での出世が自分に安らぎをもたらすという人もいるだろう。

こうした場合、この人にとって何も今いる自分の会社で出世しなくてもいいだろう。
その人はどこにいても、とにかく力を獲得し名声をかち得ればいいということになる。

そうした人は自分のやっていることと自分の味わっている快適さとは直接的に
関係がないと言わなければならない。

その人に満足をもたらしているのは、そのやっている仕事自体ではなく、
その結果としての名声でしかない。

一方は精神的に落ち着いているが、他方は精神的に不安定で絶えず何かに
追われているような気持になっている。つまり燃えつきるタイプである。